二人で作品制作していると、思いもよらない画面に進んでいることがあって、それぞれの好みやアプローチの違いから生じるズレみたいなものがキャンバス表面に現れるのだけど、時間をテーマに制作しているAccumulate Paintingでもこのズレが多々あった。
これまではこの違いを意図的に作品に残したり、そこから派生する新たな可能性を模索したりしていたけど、時間という普遍的な事柄で、僕ら兄弟でもこんなにも捉え方や表出が違うということに改めて興味が湧き、ズレに着目し始めた。
最近の作品を振り返ったら、交わって融合していく箇所は穏やかなのに対し、ズレや交わらない箇所はどこまでも並行しているような緊張感を保ちながら絵画空間を構成していた。
「画面に小さな社会ができている」と思った。
これまでそんな風に感じたことはなかったのだけど。

ならば、今この観点から社会というものをテーマに絵画に落とし込んだら、どんな世界が表れるのだろう。
社会を構成する要素（人間、時間、空間、国、民族、宗教、文化、ルール、価値観…etc）を思いつく限り引っ張り出し、それぞれを分解する。それらを次から次に描き足すような手法でキャンバスに再構築してみた。
出来上がった絵画は、歪で複雑に絡み合いながらもある種の秩序、対称性、リズムがあり美しい空間を創っていた。

この一連の絵画を“ Parallelism ”と名付けることにする。

フジヨシブラザーズ展　-パラレリズム-

会期：2023年12月23日(土) ー 12月24日(日）
　　　各日11時〜18時
会場：おうちカフェ＆ギャラリー来夢
　　　〒861-5512 
         熊本市北区梶尾町1799-3
お問い合わせ：096-321-6977　
E-mail：contact@fujiyoshi-brothers.com

※2日間限定の展覧会になります。※開催期間中はブラザーズが接客します。 ※オーダー（ご依頼制作）も承ります。